切恋~First Love~
午前の部が終わり、教室でお弁当を食べ、そしてまた太陽ガンガンの校庭へ。
午後2時頃、日ざしと盛り上がりが共にMAX状態。
遂に体育祭のメイン、クラス対抗リレーがやってきた。
佳耶や神崎涼や他の人は、入場門の方に行っている。
佳耶と神崎涼は、何に関しても対等だ。
容姿も、身体能力も。
1つ違うとすれば、佳耶の方が頭がいいってことくらい。
2人の接点を見つけたとき、こうやって必ず考えてしまうんだ。
佳耶とこういう関係にあっても、どうしても比べちゃう。
あたしと佳耶、どっちがより神崎涼にふさわしいかなんて・・・。
そんなこと、目に見えているのにね。
ボーッとしていると、いきなりピストルの音がした。
ハッと我にかえる。
「南美ちゃん、1年の女子スタートしたよっ。うわぁ、やっぱり速いなー」
1年と言っても、さすが高校生。
2年とそんなに変わらない。
1年が走るのは、ひたすら目で追っていた。
応援したりすることもなく、ただずっと目で追っていた。
何を考えることもなく・・・。
そして、気付いた時には1年生が終わっていたんだ。
次はいよいよ2年生の番。
順番は女子からだから、まず佳耶を見るのが先になるかな。
神崎涼は自分の足の速さを自画自賛してたけど・・・本当に速いの?
そんなことを思いつつも、何だかんだ見るのを楽しみにしているあたしがいる。
女子がスタートの位置に着く。
・・・何であたしまで、ドキドキしてんの。