切恋~First Love~
あたし達7組のスタートの子は、陸上部の子。
佳耶は最後から2番目だった。
順番のルールってよく分かんないけど・・・最後から2番目って凄いんだよね?
「位置に着いて・・・よーい・・・」
パンッ!!
審判の掛け声の直後に校庭に響いたピストルの音。
それと同時に、ランナーが走り出した。
ドッと沸く、校庭。
1周目、10クラス中4位。
まずまずなスタートで2人目のランナーにバトンが繋がる。
2周目、6位。
「おいコラ、何してんだ畜生ーっ!!」
入場門のあたりで神崎涼が叫ぶ。
はっきりと聞こえてきたその声に、あたしの神経は集中する。
3周目、7位。
どんどん落ちていく。
「頑張れええぇぇ!!」
あたしも声を張り上げる。
4周目、5位。
2組がバトンパスを失敗させた。
ラッキー、とあたし達のクラスが盛り上がる。
5周目、5位。
順位は変わらないまま、ランナーが1周を終えて帰ってきた。
助走をして徐々にスピードを上げていた佳耶に、流れるような動作でバトンが渡る。