切恋~First Love~
9月◇3
「・・・じゃあ、体育祭3位を祝ってー・・・」
クラスの誰かの言葉を合図に。
「「「かんぱあぁぁい!!」」」
盛大にコップがぶつかる音が響いた。
店内に溢れる、2年7組の生徒。
普段こんなに騒いで店に入ってたら、迷惑はなはだしいことに他はない。
だけど今日はあらかじめ予約を入れたから、貸しきり状態。
何でファミレスに7組の生徒が、ほぼ全員集合しているかのかというと。
「バイキングだからみんなどんどん食えよー!」
「「おおおぉぉっ!!」」
体育祭の打ち上げだから。
あの体育祭、2年7組は結果総合3位だった。
学年種目では表彰を逃したものの、総合3位という満足な結果を残して終了した。
今日は体育祭直後の日曜日。
塾や習い事がない人は全員参加。
というか塾があっても休むでしょ。
とは思ったものの、数人の真面目さん達は今日はお休み。
「南美、流菜ちゃん、何か取ってこよー?」
隣に座っていた佳耶が、そう言って席を立つ。
「あ、うん行くー」
久しぶりに見る佳耶の私服は、相変わらず大人っぽい。
流菜ちゃんの私服は初めてだけど、予想通りでかわいい感じ。
あたしはナチュラルにロンパを着た。
そして、やっぱり気になるのは神崎涼の目。
今日はできるだけ顔を合わせたくない。
どんな反応をされるか、怖いから。