切恋~First Love~


尾崎君がそんなこと言うから、周りに座っていた派手な女の子達もこっち見てるじゃん!


足、見てるじゃん!


「いや、南美は細いんだって。自覚しなよ」


佳耶までそんなことを言う。


「だから本当に違うんだって・・・」


あたしは2人の言葉をスルーしてその場を去ろうとした。


でも・・・。


「南美ちゃん細いよな。涼もそう思わね?」


何と尾崎君が神崎涼に話を振った。


ギャアアアァアァァッ!!


心の中で叫ぶ。


尾崎君はあたしと神崎涼の関係を知ってるのかどうか分からないけど・・・。


普通そんなのは話題の張本人がいる前で話さないよね?


これで神崎涼が言葉を詰まらせたら、その時のあたしのショックは計り知れない。


「今の答えなくていいからっ」


だからあたしは神崎涼にそう言って、今度こそ、この場を退散しようとした。


・・・・・・だけど。


「いや、普通にいいと思うけど」


神崎涼から思わぬ解答を得た。


小さくつぶやかれたその言葉に、あたしの心臓は一瞬にして暴れ狂う。


「・・・なっ、ば、意味分かんないっ・・・」


あたしの頭は完全に思考が停止した。


そして、3度目の正直で、足早にこの場を後にした。


テーブルに戻って、頬を両手ではさむ。


・・・熱い。


ドキドキは止まることを知らず、熱くなった頬も当分冷めそうにない。


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