切恋~First Love~
あたし細くないけど・・・でも。
何だか嬉しい。
お世辞なのかもしれないけど。
でも神崎涼に言われた言葉。
『いや、いいと思うけど』
それは素直に嬉しかったんだ。
・・・ていうか何がいいのかよく分かんないけど。
『細いよ』って意味で受け取っていいんだよね?
他の人に言われたら、なんとも思わないのに。
思い出すだけでドキドキが加速する。
神崎涼の、魔法。
上目遣いであたしを見ていた、あの視線。
その視線にもドキドキ。
もう、神崎涼の全部にドキドキ。
あたしはひたすら頬を押さえて、ボーッとしていた。
「み~な~み~っ」
「南美ちゃーん!」
そして、帰ってきた佳耶や流菜ちゃんに冷やかされまくったあたし。
その後は全員でビンゴをしたり、なぜかこの大人数で王様ゲームをしたりした。
そんなわけで夜まで盛り上がってた打ち上げは、11時頃にお開き。
あたし達はこの後どこに行く予定もなかったから、帰ることにした。
ぞろぞろとみんなが店から出ていく中、あたし達3人も続いて出ていく。
少し食べ過ぎたかも、お腹痛い・・・。
店から出ると、神崎涼や尾崎君の周りにいた女子達が誰かを囲んで話をしていた。
真ん中にいるのは・・・・・・誰?
暗くてよく見えないけど、あたしのクラスの子じゃない。
見たことあるような、ないような・・・。