切恋~First Love~


2人はいつも一緒にいて、本当に仲がいい。


コントになりつつある2人の会話を聞いていると、弱メンの声がした。


「おーい、そろそろいいかーっ?まだ決まってない奴は、もういねぇなーっ?」


「「決まってまーすっ!!」」


即刻肯定。


こういうときの協調性は、半端ない。


「じゃあ今から、しおり配るからなー」


教卓にドッサリと置かれた、分厚い冊子。


高校にもなってしおり?


・・・誰も使わないでしょ。


そう思いながらもまわってきたしおりをバサバサとめくって眺める。


生活の決まり。


起床時刻。


服装、目的、指定場所。


・・・こんなのいらないし、自由がいいよ自由が。


でも宿泊するホテルや、観光地などの写真を見てるとワクワクしてくる。


ご当地グルメ、食べたいな~。


「じゃあすることねぇから、残りの時間しおり見とけー」


そう言うと、弱メンは教室を出ていった。


そんな訳で、残りの数分間はずっとしおりを眺めていた。



修学旅行まであと3週間。


沖縄ーっ、早くこーい!


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