切恋~First Love~
当然のことながら、3泊4日分の荷物は並大抵の重さじゃない。
いつもは感じることのない、学校への道のりの長さ。
途中で肩が砕けるんじゃないかという思いを何度もして、同時に学校への不満も出てきた。
手荷物以外は先に宅急便みたいなので、送っておくとかさぁ・・・。
気が利かないなぁ、学校・・・。
そんなわけでやっとのことで着いた学校の正門には、見慣れないバスが何台も止まっていた。
生徒達も大きな荷物を持っていたりと、修学旅行を今更ながら実感する。
「7組のバスどこだろ・・・」
老人になった気分でしばらく歩き、ようやく7組のバスを発見。
即座に旅行かばんをバスの下に入れ、リュックだけ持ってバスに乗り込んだ。
事前に決めていたバス席。
1番後ろの5人席に、優、マナ、佳耶、あたし、流菜ちゃんの順で座ることになっている。
座席に行くと、優とマナは既に来ていた。
「お~、南美おはよ」
「ミナ、おはよ~」
「うん、おはよ」
席に座ると、一気に眠気が襲ってきた。
「なんか昨日全然寝れなくてさぁ、眠たすぎるんだけど」
あたしはそう言いながら目をこする。
「そうなん?うち全然普通に寝れたで」
あっけらかんとマナが言って、
「よっ!おばちゃん」
優がつっかかる。
「なんやて!?」
・・・ははは、ほんとにテレビ出演目指しなよ。