切恋~First Love~
「そろそろ出よっか」
しばらくあたし達はグダグダして、ショッピングモールを出た。
さすが沖縄、10月と言ってもまだまだ暑いなあ。
カーデ越しにYシャツをパタパタする。
「首里城」
佳耶がいきなりつぶやいた。
この場にあまりにも不自然なくらいに、突然。
「・・・が、どうしたの」
あたしはワンテンポ遅れて聞き返した。
「いやいやだから、首里城行かない?って」
佳耶はいつの間に取ったのか、片手に持ったパンフレットをひらひらとふっていた。
「『琉球王国の栄華を物語る真紅の世界遺産・首里城』・・・?」
流奈ちゃんがカタコトで読む。
てか、タイトル長っ。
確かに・・・沖縄と言えば首里城って感じもしてた中学時代。
完全に頭から飛んでたよ首里城。
「首里城行く人ーっ」
マナが元気よく同意を求める。
みんなあえての、
「・・・・・・」
沈黙。
「ちょ、誰か返事せいっ!」
焦るマナに笑ってから、近くでタクシーを拾って首里城に向かった。