切恋~First Love~


正殿に着くと、向こうに、あたしの学校の制服を着た集団がいた。


「流奈たちの学校の人だよね~。何組だろ~」


あたしの隣で流奈ちゃんは目を凝らす。


・・・視力両目1.0万歳。


にぎやかなあの集団が、男女混合っていうのがちょっと気に入らないけど。


でも、まあいいや。


そう思ってみたりする。


だって、会うことができたんだから。


――――君に。



「あれさー、もしかして2班じゃない?」


佳耶がぽつりと言った。


そう、2班。


君は、神崎涼は、2班。


もう周りの景色なんか目に入らないくらい、君の存在感は圧倒的で。


小さく小さく視界に入っているだけなのに、君だけがはっきりと映っている気がする。


一緒にいる女子班は、他クラスの子たちだった。


なんで、なんで、なんで。


なんで神崎涼と一緒にいるの。


そんな気持ちが全身を駆け巡る。


あたしだってもっと話したい。


一緒に行動、したいのに。


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