切恋~First Love~
あたしが悩みに悩みまくってたことが、ほんの一瞬だけ、すっごく小さいものに感じられた。
この壮大な風景が、全部吹き飛ばしてくれたような気がした。
終始、胸のすくような思いを感じながら、あたしは4人と一緒にハガキに色鉛筆をはしらせていた。
「はい!ねむたーいっ!」
お風呂も夕食も夜食も、全部を終えたあたしたちはふとんにダイブした。
朝から歩きっぱなしで、見事なまでに足がだるい。
完全に運動不足だー。
携帯をいじりながら布団の上でごろごろしていたとき。
「あ、そーいえばさあ」
マナが何かを思い出したように、起き上がった。
そして、
「昨日神崎涼たち、女子部屋行ったのバレて、夜中に2時間正座食らったらしいで」
というマナの言葉を聞いた瞬間、
「・・・げほっ」
反射的にというか、あたしはむせた。
「ふーん、なんか想像通りっつったら想像通りって感じだけどね」
佳耶は髪をとかしながら、いたって平然としていた。
まあ、そうだけどさあ・・・。