切恋~First Love~
向こうは、話に夢中になっているからなのか。
はたまた、玄関の入り口から差してくる西日が逆光になっているからなのか。
どんな理由なのか分かんないけど、あたしや佳耶に気づいている気配はない。
「ねえ、佳耶・・・来るよ?来るよ?あたし達ここにいるの?」
何かああいうの、ちょっと怖いんだよなあ・・・。
いくらかっこいい人が好きだからって・・・。
「は?南美何言ってんの?何であたし達があんな奴らのために道を開けなきゃいけないわけ?」
そうなんだけどお・・・。
「南美!堂々としなよ!」
もうこれは・・・『はい』と言うしかないよね・・・?
ざわざわがすぐそこにまで来ていた。
笑い声がより一層大きく聞こえる。
神崎涼とか尾崎君とか、派手な女の子とかいるんだよね?
佳耶は美人だからさ、堂々としてられるけど・・・。
あたしなんてー!!
「あ、南美ちゃん?」
!!!
この声は・・・
「尾崎君・・・」
顔を上げた瞬間、尾崎君の隣の女の子と目が合った。
ひーん!
「かわいい子いるなあ、って思ってたら南美ちゃんじゃん!それに、倉橋佳耶ちゃんだよね?」
かかかかかかかか!!
かわいいいぃいぃぃ!?