切恋~First Love~


何だか分からないけど、目に涙が浮かんできた。


顔が熱くて、手が熱くて、体全てが熱い。


そんなことをゆっくり考えてる暇もなく、


「藤井!尾崎!雑巾がけやってこい!!」


何と3日続けての雑巾がけ令が出た。


そんなあ・・・。


行きたくないよ・・・。


尾崎君、反抗してくれないかな・・・。


なんて、そんな甘い考えも虚しく、後ろから席を立つ音が聞こえた。


尾崎君、そういう所で真面目なの?


「はあああ・・・」


溜め息をつきながら、あたしも嫌々席を立つ。


「南美ちゃんて、運ないね・・・。頑張れ!」


後ろから流菜ちゃんの応援が聞こえた。


うん、あたしも物凄くそう思う。


そして、雑巾とジャージを持って教室を出ようとした瞬間、


「先生ー、さっきの続きしてきまーす」


後ろから来た尾崎君がそんなことを言った。


瞬時にあたしの顔が赤くなる。


そういうこと言うの、やめてよお!


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