切恋~First Love~


「だからぁ・・・」


セフレって言いにくいんだもん・・・。


「早くしてよ」


そう言って、尾崎君はまたあたしに触れる。


下ろしていた髪を手でいじられて、また体が強張る。


そういうの無理なんだってば・・・。


ただでさえ、男の子と付き合った事ないのに・・・。


「流菜ちゃんの友達がね、神崎涼のー・・・セ、セフ、レだったから・・・」


いろんな意味でドキドキしながら言った。


あの言葉を口に出すのに抵抗があって、思わず口を腕で隠す。


恥ずかしいー・・・。


「涼のセフレ?名前は?」


「知らないよ!そんなの!」


あんなに恥ずかしいこと言わせておいて、まだ聞くの!?


そう思って、ついムキになった。


「ふーん、分かった。チッ、しゃべんなっつってんのに・・・」


尾崎君は少しキレ気味に舌打ちした。


あたしの中で一つの疑問が生まれた。


何で、他の人に言ったらダメなの?


でも、雰囲気的に聞きづらくて聞けなかった。


「あの、尾崎君。・・・あのね、あたしが言ったってことを流菜ちゃんとその友達には言わないで・・・」


あたし、凄く口が軽い子みたいになっちゃうから・・・。


こんな事で流菜ちゃんに嫌われたくないし・・・。


結局、自分のことばっかり。


そんな自分が嫌になる。


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