切恋~First Love~
教室に戻ると、一目散に流菜ちゃんに謝った。
さっきあったことを全部話したら、
「あ、そうなんだ。全然平気だよ!」
ってほんわか微笑んで言われたけど・・・果たして本当に大丈夫なのだろうか。
『甘く囁かれたから言っちゃいました』
なんて言えないから、
「脅されて・・・」
と苦し紛れの言い訳をした。
そしたら流菜ちゃん、
「あたしのせいで・・・ごめんね?大丈夫?」
あたしのことを心配してくれた。
もちろん、あたしの良心が痛んだのは言うまでもない。
こっちこそごめんね、流菜ちゃん。
今日1日、授業なんてまともに受けられやしなかった。
どうにも、あたしの斜め後ろのあの人を意識しちゃって。
朝のことを思い出しては、1人赤くなったりしていた。
思い出すたびに胸がドキドキした。
顔なんて、とてもじゃないけどまともに見れない。
だから授業中はひたすら突っ伏していた。