切恋~First Love~


教室に戻ると、一目散に流菜ちゃんに謝った。


さっきあったことを全部話したら、


「あ、そうなんだ。全然平気だよ!」


ってほんわか微笑んで言われたけど・・・果たして本当に大丈夫なのだろうか。


『甘く囁かれたから言っちゃいました』


なんて言えないから、


「脅されて・・・」


と苦し紛れの言い訳をした。


そしたら流菜ちゃん、


「あたしのせいで・・・ごめんね?大丈夫?」


あたしのことを心配してくれた。


もちろん、あたしの良心が痛んだのは言うまでもない。


こっちこそごめんね、流菜ちゃん。



今日1日、授業なんてまともに受けられやしなかった。


どうにも、あたしの斜め後ろのあの人を意識しちゃって。


朝のことを思い出しては、1人赤くなったりしていた。


思い出すたびに胸がドキドキした。


顔なんて、とてもじゃないけどまともに見れない。


だから授業中はひたすら突っ伏していた。


< 70 / 337 >

この作品をシェア

pagetop