切恋~First Love~
今日も神崎涼達は、たくさんの女の子と帰るのかな。
ふと廊下の向こう側を見ると派手な感じの女の子達が数人、こっちに向かって来ていた。
みんなかわいいな・・・。
あたしもかわいかったら、彼氏の1つや1つできるかもしれないのに。
あ、でもかっこいい人大好きなの直さなきゃ、始まんないか。
窓から差してくる夕日に当たりながら、そんなことを思った。
その後窓の方に顔を向けて、目を細めながら、無心で夕日を見ていた。
「南美、ごめーん!行こー!」
しばらくすると、佳耶が教室から出てきた。
肩を叩かれて、ハッとなる。
「うん!」
今は学校の門を出て、自転車を引きながら佳耶と歩いている。
尾崎君のこと、あたしは今気になってると思う。
だけど佳耶や流菜ちゃんに言うつもりは、まだない。
言うのに抵抗があるし、今まで言わなかったから今回に限っていう必要もないと思った。
でも言いたい気持ちも十分あった。