切恋~First Love~
『好き』になりたいわけじゃなくて、罪悪感があるの。
あたしを信じてくれている友達を欺いている罪悪感。
仮にも佳耶とは『教えあおうね』って約束をしているんだから。
佳耶や流菜ちゃんを軽い友達として見てるわけでもない。
凄く大切な友達だと思ってる。
でもなぜか言えないんだ。
だから自分も凄くつらい。
結局あたしは自分のことが第一なのかもしれない。
そう思うと堪らなく情けなくなるんだ。
「南美ー!」
「へ?」
突然佳耶に話しかけられてマンガのように間抜けな声が出た。
「どうしたの?急に黙っちゃってさ」
考えてたことと、見事にマッチングした佳耶の質問。
あたしが選んだ答え。
「・・・ううん、何でもない」
笑顔を佳耶に見せながら、平然を装った。
顔引きつってないかな?
毎回のことだけど、結構きついな・・・。