切恋~First Love~
5月◇1
「南美ちゃんおはよー」
凄く自然に尾崎君にあいさつされる。
それだけでドキドキするのは、この気持ちに気付いたときのまま。
いつの間にかもう5月になっていた。
「流菜ちゃーん、数学の課題どこまでだっけー?」
流菜ちゃんとは新学期当初より、凄く仲良くなった。
「えー?30ページまでじゃなかった?」
「えええ~・・・」
嫌々シャーペンを取り出し、ワークと向き合う。
こんなの分かんないよお・・・。
佳耶に教えてもらおうかな・・・。
佳耶はそこそこ勉強もできるし、運動だってできる。
特に球技が半端なく上手い。
知っての通り美人だし。
こんなに完璧な人にそうそう出会えないよ、ってよく思う。