切恋~First Love~
「あ、ごめん。・・・で、ここが・・・」
佳耶が説明し始めた瞬間のこと。
その声にかぶるように横から声がした。
「何それ、課題?」
聞き覚えのある、低くて、でもどこかきれいな声。
条件反射で声の主を見ると・・・・・・神崎涼。
佳耶がどれだけ冷たい態度で接するのか、冷や冷やしながら見ていた。
お願いだから変なことは言わないでね・・・。
「・・・そうだけど?何?」
顔はいたって普通のままだけど・・・声!
声が低いよー!
「そんなの出てた?」
神崎涼は興味なさそうに聞いた。
知っててもアナタはやらないでしょうけど。
「うん出てた。で、今このバカに説明してるから黙っててくんない?」
チュドオオォォォン!!
佳耶が平然と、当たり前かのように言った!
神崎涼の前でバカって言った!
あたしの恥をさらすようなこと言うなー!
「コイツバカなわけ?」
神崎涼はあたしを指差しながらバカにしたように佳耶に聞いた。
アナタより頭いいつもりですけど!
頭噴火しそう!