草食男子に恋をした!
ハッとして、その言葉を頭の中で復唱する。
歩ちゃん――。
敏也くんがそう呼ぶから真似したんだろう。
でも、なんか
胸がきゅ~って……。
「歩ちゃん、制服のボタン取れそうだよ」
「へ?」
言われて見てみると、確かにブレザーのボタンがほとんど取れかけていた。
かろうじて糸でぶらさがっているような状態だ。
「あ~…ほんとだ」
「貸してみ。つけたげるよ」
「はい?」
間宮くんは微笑んで、鞄から何かを取り出した。
「……ソーイングセット?」
でぇぇーーっ!?
間宮くんって、な、何者!?
しばらく動けずにいると、間宮くんは、
「大丈夫。俺、超うまいから」
と首を曲げ、
爽やか笑顔であたしを悩殺した。