草食男子に恋をした!
きょとんとしないで!
「まみやはいねぇが~」
「怖いから、歩奈……」
その決意の日から、
あたしの目は完全に間宮くん探知機だ。
鬼太郎の髪の毛みたいに、
常に注意をはりめぐらせて彼を探す。
「あっいた!間宮くん」
4組と5組が合同で体育をやる
貴重な火曜日。
体育館に早めに集まって、
バスケをやっている隣のクラスの
男の子達の中に間宮くんを見つけた。
うわあ、ジャージ姿もかっこいい~!
ズボンの裾を折り曲げて、ちょっとやんちゃな感じ。
走って風を切ると、前髪がふわっとあがっておでこが見える。
見とれていると、
一気に走りこんで間宮くんがシュートを決めた。
「ナイッシューッ!」
「声ちっちゃ!聞こえてないっつの」
美優が
軽くあたしの頭を叩いてつっこんだ。
「だって…」
だって聞こえるようになんて言えないもん…!
恥ずかしいもん…!
だからこうやって影で応援してるんだもん…はぁ。