草食男子に恋をした!
今日はいつもより一つ遅い電車だったんだけど、
まさか間宮くんと鉢合わせるなんて思わなかった。
ああ、もうどうしよう、
嬉しすぎて顔のニヤけが抑えられない。
次の電車は10分後だ。
紺色のブレザー。
赤いネクタイ。
制服姿の二人、
黄色い線の内側で電車を待つ。
あたしが降りる駅は四つ目。
間宮くんは五つ目。
ずっと話してたいから、電車が遅延すればいいのにって本気で思った。
「歩ちゃん、今日ほんとにごめんね。もう痛んだりしない?」
「うん!全然大丈夫。気にしないで」
「そっか。よかったー」
やっぱ優しいなぁ。
あたしは頭を触られたことを思い出して、また顔が火照った。