草食男子に恋をした!
「ごめん…。俺、沢田のことそんな風に見たことなかったし、考えたこともなかった。
そんなんで付き合っても悪いし、沢田には俺なんかよりいい奴がいると思うよ」
間宮くんが出した答えはNOだった。
張り詰めていた緊張が、ふっと解けた。
それにしてもなんて優しい断り方。
間宮くんらしくて、何だか涙腺が緩む。
多分それは、相手の女の子の気持ちにシンクロしてしまったからだ。
「そっかっ……分かった」
「ほんと、ごめんな」
心底申し訳なさそうな顔をする間宮くん。
何度も謝って眉を垂らす。
「ううん!気にしないで。ありがとね。もしかして……好きな子いるとか?」
ホッとしたのもつかの間、彼女の口から出た質問に、また体に緊張が走った。
ぐっと自分の手で自分の口を覆う。