【Flower shop】〜恋するエプロン〜

のんきにそんなことを考えていたら
誰かにぶつかった。

「ごめんなさい」

薔薇の上品な香りがする。

「こちらこそ、ごめんなさい」


後ろ髪が腰ほどはある、女の子。

茶色のブレザー。
チェックのスカート。

頭から足先をみても
私の学校の生徒とは思えなかった。



「俺タイプ〜〜〜」

一瞬、私とその女の子の沈黙を
やぶったのはコウジだった。

「いえ、そんな…」

足早に去ろうとする女の子を
コウジは追いかけて、
話しかけようとする。


「まじかよ…」

楓がそう、小さな声で呟いたが
私にはなんのことだかわからずに
コウジの後を追った。
< 49 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop