【Flower shop】〜恋するエプロン〜
のんきにそんなことを考えていたら
誰かにぶつかった。
「ごめんなさい」
薔薇の上品な香りがする。
「こちらこそ、ごめんなさい」
後ろ髪が腰ほどはある、女の子。
茶色のブレザー。
チェックのスカート。
頭から足先をみても
私の学校の生徒とは思えなかった。
「俺タイプ〜〜〜」
一瞬、私とその女の子の沈黙を
やぶったのはコウジだった。
「いえ、そんな…」
足早に去ろうとする女の子を
コウジは追いかけて、
話しかけようとする。
「まじかよ…」
楓がそう、小さな声で呟いたが
私にはなんのことだかわからずに
コウジの後を追った。