【完】先輩と保健室で
少し上目遣いで、先輩を見てみた。
そしたら、握っていた両手を離して先輩は目線を横にそらした。
先輩…照れてる?
なんで??
「先輩…?」
「早く、帰ろ。」
先輩は素っ気なくそう言って、私に背を向けて歩き出した。
「あ…!」
先輩があまりにも早く歩くものだから、私は少し駆け足になってしまう。
そしたら、その事に気づいた先輩が、少し歩く速度を緩めてくれた。
その小さな気遣いだけで、私の心が暖かくなる……