【完】先輩と保健室で



そう言って家に入ったが、家の中はシーンと静まりかえっている。


「鮎川……」


「あ、両親は今日は朝から旅行に行ってるんです。だから大丈夫です。」


私は笑いながら、先輩にそう言って家に招き入れた。


いや、何が大丈夫なんだ…

うう、いかん。何だか妙に先輩を意識してしまう……


「はい先輩、タオルです。」


「ん、ああ……」


先輩はタオルを手にとって、少し濡れた髪を荒っぽくふいている。



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