【完】先輩と保健室で



「あ、適当に座ってて下さい。」


そう言ったら、リビングの真ん中にあるテーブルに座った。

まあ、そうだろう…。


「雨、すぐにやむと良いですね……。」


先輩の目の前に紅茶を置きながら、私は言った。


「…うん……」


先輩はキョロキョロと、妙に落ち着かない様子だ。

いや、私も実は落ち着かない。


「やっぱり、帰る。」


「え……?」


先輩は鞄を持って、玄関の方に歩いていく。


「や、先輩っ…」


この雨の中帰らせて、風邪でもひいてもらったら困る!!

大体こうなったのも、私が先輩を誤解して保健室に行っちゃったせいなわけで…


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