【完】先輩と保健室で
「あああ、あの…」
「小春、何してんの?」
勇悟が、そう言いながら冷たい視線をおくってくる。
「あのね、熊切先輩に勉強を教えてもらってて……」
「ふーん…」と言いながら、勇悟は目を細めて私を見てくる。
なんか勇悟、機嫌が悪い…?
「小春、帰るぞ。」
「は!?」
勇悟はそう言って、勝手に私の教科書やノートを鞄につめる。
そのまま、私の手を思い切り引っ張って保健室から出て行く。
「ちょ、待ってよ!!」
後ろを見ると、もう熊切先輩の姿は見えなくなっていた。
「勇悟!!」