【完】先輩と保健室で
私は少し大きな声を出して、鞄から教科書とノートを出した。
「あの、まだ分からない所があるから教えて貰ってもいいですか?」
「あ、うん。」
先輩はそう言ったら、隅にあった机と椅子を引っ張り出してきた。
「あの、先輩…?」
「なに??」
「何で、いきなり私に勉強を教えるなんて言ったんですか?」
「あー…」と、先輩は少しだけ考える素振りを見せる。
「ケーキ…」
「ケーキ??」
「もしテストの点が悪かったら、一時ケーキは保健室にもってこれないんだろ??」
「え、あ、まあ…」
そうか、ケーキのためだったんだ……
いや、何で私がこんなに落ち込んでるんだろ??