【完】先輩と保健室で
「ぬいぐるみ…?」
箱を開けたら、可愛らしいクマのぬいぐるみが座っていた…。
「これ、勇悟が!?」
「なんだよ、ワリーかよ?」
勇悟は少しムッとさせて、ぶっきらぼうにそう言った。
「ううん、そんな事ないよ。ありがとね。」
「ん、そっか…」
勇悟は少し照れたように笑って、頭をガシガシとかく。
その時、授業が始まるチャイムが鳴って、それと同時に先生が入ってきた。
私はクマのぬいぐるみを箱に戻し、自分の席に座った。
それにしても…
勇悟がこんな風に誕生日プレゼントくれたの、初めてだな…
いったい、どうしたんだろ??
「ま、別にいっか。」
嬉しいという気持ちが、心の底から湧き上がってくる。
そして私は、放課後になるとそのぬいぐるみを持って保健室に行った。