【完】先輩と保健室で
「ふああー!!」
背伸びをして、制服に着替えて私は家を出た。
クマのぬいぐるみの暖かさが、まだ少し残っている。
「……あれ?」
「あ……」
家を出て十字路を曲がると、熊切先輩が立っていた。
「先輩…どうしたんですか??」
「あ…ケーキ…」
「ケーキ??」と聞き返して、私は自分が持っているケーキの箱に視線を落とした。
今日、先輩と一緒に食べようと思っていたケーキだ。
「ケーキが、どうかしたんですか??」
さすがに、ケーキを朝から食べるわけじゃないだろうし…
いや、でも先輩なら…