【完】先輩と保健室で
「ケーキ、今日はいらない。」
「……え…?」
その瞬間、心臓にドクンと嫌な脈が打つ。
…いらない?
「先輩…何で…」
「じゃあ。」
そう言って、そのまま先輩は学校に行く道を歩いていく。
「先輩、まっ――」
「きゃああ!熊切先輩!!」
私の先輩を呼ぶ声は、他の女の子の黄色い声にかき消されてしまった。
学校が近いからか、周りには同じ服を着た人たちが沢山いる。
先輩…やっぱり凄いな。
でも…
「ケーキいらないって…どうして…??」
嫌な感情と考えが、次々に心の底から沸いてくる。