【完】先輩と保健室で



「あと…誤解を解いてこいとも言われた…。」


「誤解…??」


誤解って…何の?


「これ……」


そう言って熊切先輩は、一つの箱を私に渡してきた。


「……??」


「今日は…ケーキはいらないって…俺、言わなかった?」


「え……?」


私はその箱を少しだけ開いて、中をチラッと覗いてみた。


そこには、少し崩れてはいるが美味しそうな苺のケーキが入っていた。


「これ……」


「他の女子たちに聞いて…作った。」


……作った??


「く、熊切先輩がこのケーキ作ったんですかっ!?」


私がそう聞いたら、目線を少し泳がせてから小さく頷いた。



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