【完】先輩と保健室で
「先輩が…何で…」
「誕生日…だから」
先輩はそう言って、目線を少し横に動かした。
そうだ…昨日は私の誕生日で、先輩にもそのコト言ったような……
「じゃあ、このケーキ…」
「1日遅れだけど、誕生日プレゼント……。」
そう言って、先輩は柔らかく笑みを零した…。
「うそ……」
先輩が…私のためにケーキを作ってくれたなんて……。
「……っ…」
また、私の目から涙がポロッと零れ落ちてきた…。
「鮎川…!?」
「あの…その、嬉しくて…私、涙もろいですね。」
私はまた制服の袖で涙を拭こうとしたが、その腕を先輩がグッと掴んだ。