【完】先輩と保健室で



「先輩が…何で…」


「誕生日…だから」


先輩はそう言って、目線を少し横に動かした。

そうだ…昨日は私の誕生日で、先輩にもそのコト言ったような……


「じゃあ、このケーキ…」


「1日遅れだけど、誕生日プレゼント……。」


そう言って、先輩は柔らかく笑みを零した…。


「うそ……」


先輩が…私のためにケーキを作ってくれたなんて……。


「……っ…」


また、私の目から涙がポロッと零れ落ちてきた…。


「鮎川…!?」


「あの…その、嬉しくて…私、涙もろいですね。」


私はまた制服の袖で涙を拭こうとしたが、その腕を先輩がグッと掴んだ。



< 206 / 389 >

この作品をシェア

pagetop