【完】先輩と保健室で



だいたい保健室のベッドは二個あって、私の横のベッドは空いていた。

だから、寝るならそっちのベッドに寝ればいいはず……


「あー……」


先輩はポリポリと指で頬をかき、少し目線をそらした。


「…先輩…?」


「…――かったから。」


最初の方が聞こえなかったから、「え??」と私は聞き返した。


「…可愛かったから。」


「……へ??」


いま…なんていった??

たぶん、私の聞き間違いか何かだろうけど……


「あの…もう一回。」


いちよ、もう一回。



< 21 / 389 >

この作品をシェア

pagetop