【完】先輩と保健室で
《第四章》
■バイトと東雲先輩
「………。」
「………。」
今、私は東雲先輩と一緒に保健室に向かっている。
「あのさ、この前の事は謝るからさー…」
「許しません。熊切先輩に変なこと吹き込んで……」
そうなのだ。
私が東雲先輩を怒っているのは、昨日、熊切先輩が私にした行動にあった。
“女の子は抱き締めたら泣き止む”とか、“女の子の涙は舐めるものだ”とか…
これらは全て、東雲先輩が熊切先輩に吹き込んだことらしい…。