【完】先輩と保健室で
「反則だよ、それっ!!」
「はん…そく??」
私がそう聞き返すと、「そう!!」と言って東雲先輩は顔を隠している。
「そんな可愛い顔で見つめられたら、俺…我慢できなくなっちゃうよ?」
「へっ!?」
そう言いながら舌をペロッと出す東雲先輩に、また抱きつかれた思い出が脳内に突き刺さる。
「あ、あの…」
「やだな、冗談だよ冗談!そんな後ずさりとかしないでよ…」
東雲先輩は少し悲しいような顔をして、両手を前に出す。
「まあ本当ならここでキスぐらいしたいんだけど、智のお気に入りだからね…」
「お気に入り??」
私は“キス”という部分はあえて無視して、そう聞き返した。