【完】先輩と保健室で



「反則だよ、それっ!!」


「はん…そく??」


私がそう聞き返すと、「そう!!」と言って東雲先輩は顔を隠している。

「そんな可愛い顔で見つめられたら、俺…我慢できなくなっちゃうよ?」


「へっ!?」


そう言いながら舌をペロッと出す東雲先輩に、また抱きつかれた思い出が脳内に突き刺さる。


「あ、あの…」


「やだな、冗談だよ冗談!そんな後ずさりとかしないでよ…」


東雲先輩は少し悲しいような顔をして、両手を前に出す。


「まあ本当ならここでキスぐらいしたいんだけど、智のお気に入りだからね…」


「お気に入り??」


私は“キス”という部分はあえて無視して、そう聞き返した。



< 220 / 389 >

この作品をシェア

pagetop