【完】先輩と保健室で



「失礼しまーす…」


そう言って、私はケーキの箱を持って保健室の扉を開けた。


今日から東雲先輩の家で働かせて貰うから、これからは熊切先輩とケーキは食べれない。


でも約束だから、いちよは作ってきたんだけど……


「……先輩??」


熊切先輩…いないなあ…


「熊切せんぱーい…」


保健室をキョロキョロ見回していると、ふとベッドに目が止まった。


「あ、先輩!」


二つある片方のベッドに、熊切先輩がやすらかに眠っている。


どうしよう…ケーキはテーブルの上に置いててもいいかなあ??


「んんっ…」


「へ??」



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