【完】先輩と保健室で
■気付いた帰り道
「なに…してるの?」
また、熊切先輩は繰り返すように呟いた。
「あの、な…その…」
東雲先輩は、熊切先輩に絶対に視線を合わさないようにしている。
「輝…何してたの?」
「………。」
とうとう、東雲先輩はだんまりになってしまった。
私だって、東雲先輩が何をしようとしたか何て分からない。
気付いたら、東雲先輩の顔が近くにあって……
「鮎川……」
「は、はいっ!!」
熊切先輩が低い声で私を読んだから、ビックリして体が震えた。
声も、自然と裏がえってしまう。