【完】先輩と保健室で
「いえ、ちゃんと期限まで働かせて貰います。」
「そっか…」
東雲先輩はそう言ったら、私たちに背を向けて歩き出した。
「東雲先輩?」
「智もいんだし、俺が家まで送る必要ないでしょ。」
決してこっちを見ずに、東雲先輩は片手を上げて手を振った。
「………。」
「あのー…」
いきなり二人にさせられて、何を話せと言うのだろうか…。
「ケーキ…」
「はい??」
「明日は…ケーキ一緒に食べようね…。」
そう言ってフワリと笑う熊切先輩を見て、胸がギュウッと締め付けられるように痛くなる。
い…痛い…。