【完】先輩と保健室で
勇悟はその落とした物を拾って、不思議そうにそれを見……
「ああああああ!!」
私は朝だと言うのに大声を出して、勇悟が拾った物を取り上げた。
「こ、小春??」
「あのね、これは…」
私が落とした物。
それは、水族館のチケットである。
「それ……」
「あのね、その…お給料が余っちゃったから…行きたいなーって……」
「熊切先輩と行くのか?」
「え……」
チケットは2枚。
だから、勇悟はそんな事を聞いてきたのだろう……
「あの、まだ誘ってないんだけど…今日、誘ってみようと思うの。」
そう言って、勇悟にニッコリと笑った。
「………っ…」
勇悟は眉間にシワを寄せて、いきなり真剣な表情になった。