【完】先輩と保健室で
勇悟の事が引っかかりつつも、私は保健室へと足をのばした。
「失礼しまーす」
「あ、鮎川…」
熊切先輩は私に気付いた瞬間、パッと少しだけ微笑んだ。
う…その笑顔は反則ですっ!!
「あの…先輩に…その、お願いがあるんですけど……」
「…お願い??」
熊切先輩はそう言って、首を少し傾けた。
その傾ける仕草が大人っぽくて、色っぽくて…何か酔ったような感覚になる。
「あ、あの…」
私はモジモジしながらも、水族館のチケットを先輩に差し出した。
「……これ…」