【完】先輩と保健室で



勇悟の事が引っかかりつつも、私は保健室へと足をのばした。


「失礼しまーす」


「あ、鮎川…」


熊切先輩は私に気付いた瞬間、パッと少しだけ微笑んだ。


う…その笑顔は反則ですっ!!


「あの…先輩に…その、お願いがあるんですけど……」


「…お願い??」


熊切先輩はそう言って、首を少し傾けた。


その傾ける仕草が大人っぽくて、色っぽくて…何か酔ったような感覚になる。


「あ、あの…」


私はモジモジしながらも、水族館のチケットを先輩に差し出した。


「……これ…」



< 270 / 389 >

この作品をシェア

pagetop