【完】先輩と保健室で



「あ、私?私は熊切くんの担任の曽根(ソネ)よ。あなたは……」


「あ、私は鮎川と言います。」


「あら、あなたが鮎川さん!?」


曽根先生はそう言って、私にガバッと抱きついてきた。


「へ!?へ!?」


「東雲くんから聞いてるわよー?熊切くんの彼女何でしょう??」


「か、彼女!?」


東雲先輩は曽根先生に、私の事を彼女だと言ったのだろうか??


まったく、勝手なんだから…


「私、あなたには期待してるのよ??」


「期待??」


「そう。もしかしたら、熊切くんが“人”の写真を撮ってくれるんじゃないかって……」


そう言って、曽根先生は寝ている熊切先輩を見た。

やっぱり熊切先輩…人の写真は絶対に撮らないんだ……


でも、手帳の中に入ってた写真は……


「あなたは知ってる?熊切くんが学校を辞めちゃうかもって噂。」



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