【完】先輩と保健室で
「……それだけ?」
「へ?」
私がボーっとしていると、そう言って熊切先輩は立ち上がった。
「聞きたい事がもう無いなら、帰る。」
椅子から立ち上がり、熊切先輩は保健室の扉の方に行く。
「え、あ…先輩!!」
「……なに??」
立ち止まり、面倒くさそうに顔だけを振り返らせる。
「で、でも…今度の課題の写真を出さないと…学校側も対処しないとって曽根先生が言ってました!!」
私が必死な声でそう言うと、熊切先輩はため息を一つついた。
「……先輩?」
「そんな事も言ったの、あの人。」
そう言って、熊切先輩は私に近付いてきた。
「あ……」
「どうせそれも脅しだから、気にする事はない。」