【完】先輩と保健室で



「彼女じゃないん…です…か?」


「………。」


熊切先輩は黙ったまま、コクリと大きく頷いた。


「え、でも…特別な人だって…だからその人だけ写真を撮ったんじゃ…」


「あれは…俺の姉なんだ。特別な人だよ。」


「え…お姉さん??」


え…じゃあ…彼女っていうのは…私の早とちり??


「でももう居ない。病弱で…あの手帳に入ってる写真を撮った後に亡くなったよ。」


そう言って、熊切先輩は手帳からあの写真を取り出した。


「そう…だったんですか…」



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