【完】先輩と保健室で



「え…っ」


「ダメですか??」


熊切先輩は顔を伏せて、何か考えている様子だ。


「でも、俺は……」


「私はどこにも行きませんよ?」


私がそう言うと、熊切先輩は顔をバッと上げた。


「だから、熊切先輩は私がどこにも行かないように、捕まえててくれませんか??」


こんなセリフを言ったのは、生まれて初めてだ。

少しこしょばくて…でも、本当の気持ちで……


「私、熊切先輩が好きなんです。だから……」



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