【完】先輩と保健室で



私がそう自分に言い聞かせている時、どこからか女の子達の黄色い声が聞こえてきた。

“きゃあああ!!”と、その声は止むことをしらない。


「なんだぁ??」と言って、勇悟もそっちの方を見ている。


「どうしたの?」


私も、女の子たちがいる方を目を細めて見てみた。


「あの人……」


女の子たちの中に、背の高い男の人が立っている。

東雲 輝(シノノメ ヒカル)先輩。

熊切先輩と同じ写真科の、背も高く顔も格好いいし成績も良し。

まあ、いわゆる完璧な人…とでも言うべきか。

だから女の子たちの間でも評判は高く、私も顔と名前ぐらいは知っている。


「すげー人気だな…」



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