【完】先輩と保健室で



「先輩、私…もう帰らないと…」


保健室の窓の外は、さっきまではオレンジ色だったのに今ではもう濃い藍色だ。


星が数個、チカチカと綺麗な光を放っている。


「……そう。」


そう呟いてから、先輩は私から顔を離した。


「あの、今日は本当にすいませんでした。」


「……別に。」


そう言いながら、先輩は置いてあった鞄を持った。


「…先輩??」


「家までおくっていく。」


先輩がそう言った瞬間、「えっ!?」と大きな声を出してしまった。


「……ダメ?」


「いや、その……」


ダメとかじゃないんだけど…だけどもっ!!



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