リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『同級生』・2
「何だ、そんな理由で…」

「そんな理由なの。だから」

アタシは荷物を持って立ち上がり、まっすぐに彼の眼を見た。

「アタシに構わないで、近付かないで。アタシは誰かと親しくなるなんて、そんなこと、望んでいないから」

ハッキリ言うと、彼はため息をついて、頭をかいた。

頑固な子供でも相手にしてしまった、というように。

だからアタシは彼に背を向けた。

「ジュースとお菓子、ありがとう。―さよなら」

そのまま彼の前から走り去ってしまった。

けれど途中で立ち止まった。

涙が…溢れてきたから。

熱い涙が、冷たい頬に流れるから。

「何で…涙なんか…」


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