レクイエム
「…地道に北上するしかないね」
「そうですね」
ここリゼンレーナから北の大地は相当遠い。
国境も跨ぐ事になる。長い旅になりそうだ、とクーラは1人ごちた。
薔薇の園をしばらく歩き続け、ようやく裏門に出た。
相変わらず広い邸宅である。
正門には見張り兵がいたと言うのに、裏門には見張りはいないのか。少し不用心、が率直な感想だ。
裏口の扉のときのようにセフィアが裏門を開き、クーラとアレスを通す。二人が通ってからセフィアは門を閉じた。
よそよそしく庭の中を確認すると、また早足で歩き始めた。
さっきから感じるセフィアの焦燥感は何だろう。
「リゼンレーナを北口から出て行きましょう」
「了解」
「…」
それから早朝で人通りのない街を歩いた。
セフィアの邸宅から遠ざかり、見えなくなったところでようやく彼女は足を止めた。
貴族街を抜け、場所は市街地。
「そうですね」
ここリゼンレーナから北の大地は相当遠い。
国境も跨ぐ事になる。長い旅になりそうだ、とクーラは1人ごちた。
薔薇の園をしばらく歩き続け、ようやく裏門に出た。
相変わらず広い邸宅である。
正門には見張り兵がいたと言うのに、裏門には見張りはいないのか。少し不用心、が率直な感想だ。
裏口の扉のときのようにセフィアが裏門を開き、クーラとアレスを通す。二人が通ってからセフィアは門を閉じた。
よそよそしく庭の中を確認すると、また早足で歩き始めた。
さっきから感じるセフィアの焦燥感は何だろう。
「リゼンレーナを北口から出て行きましょう」
「了解」
「…」
それから早朝で人通りのない街を歩いた。
セフィアの邸宅から遠ざかり、見えなくなったところでようやく彼女は足を止めた。
貴族街を抜け、場所は市街地。