レクイエム
入り組んだ洞窟とマングローブ地帯を抜け、2人は海へ出た。
シレネラの街はアジトからも割と近い。
リヴァーズ1オール捌きの上手いクレンスに掛かれば、約15分でつく。
内海の為波も強くないし、すんなりとシレネラの街に着いた。


「じゃあ俺は質屋行ってきやすんで」


この街は商業が盛んで、船の出入りも激しい。一隻一隻入港審査している余裕もないので、出入りは自由だ。
港について、早速クレンスが荷物を肩に掛けた。


「俺全部捌いて来るんで、お頭は観光でもしていて下せぇ」

「あ、うん」


敬礼をして彼は走り去ってしまった。


「観光って言っても…何を見ればいいんだか」


よく来てる街なので今更見る物なんて、と思ったが彼の言葉に甘える事にした。昨晩の寝不足が何だかんだで体に堪えている。


この街の大通りはあちらこちらに屋台がある。
武器から防具、食材や日用品まで全てがここで揃う。時々掘り出し物もある為、一般客だけでなくマニアやコレクターも足を運ぶ。
人混みに翻弄されながらも何とか店先に出ることが出来た。
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